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記事 · 中期計画 2026-09-07

中小企業が中期計画を作るときに最初にやること

財務データを読み直すことが、計画策定の実質的な出発点になる
前
前田 典子
代表コンサルタント
2026-09-07
データ分析をテーマにした、グラフ、ノートパソコン、ノートが置かれたデスクの俯瞰図。

中期計画を作りましょうという話になったとき、多くの経営者がまず「どんな事業をやるか」という議論から始めます。それ自体は悪くないのですが、その前に確認しておくべきことがあります。現在の財務状況と、過去3年の数字の動きです。

なぜ財務データから始めるのか

計画を作る前に財務データを読み直す理由は単純です。現在地がわからないまま目的地を決めても、道筋が引けないからです。売上の推移、粗利率の変化、固定費の構造。この三つを確認するだけで、どこに問題があるかが見えてきます。

特に粗利率は、製品・サービスごとに分解して見ることが重要です。全体の粗利率が横ばいでも、内訳を見ると特定の製品が利益を引っ張っていて、他は赤字に近い状態になっていることがあります。この状態で「全製品の売上を伸ばす」という計画を立てても、赤字製品の比率が上がるだけです。

数値目標の設定は逆算で行う

「3年後に売上を30%増やしたい」という目標が出てきたとき、最初に確認するのはその根拠です。現在の生産能力、人員、設備で、30%増の売上に対応できるかどうかを確認します。

対応できない場合、何が必要かを計算します。設備投資が必要なら、その資金をどこから調達するか。人員を増やすなら、採用と教育にどれくらいの時間がかかるか。これらを積み上げると、3年後に実現可能な数字の範囲が見えてきます。その範囲の中で目標を設定するのが、実行可能な計画の作り方です。

  • 過去3年の売上・粗利率・固定費を確認する
  • 製品・サービスごとに粗利率を分解する
  • 現在の生産能力と人員を把握する
  • 目標数値から必要なリソースを逆算する
  • 資金調達の方法と時期を確認する

優先課題を三つに絞る

財務データを読み直すと、課題が複数出てきます。全部を同時に解決しようとすると、どれも中途半端になります。3年間で取り組む課題を三つに絞ることが、計画を実行可能にする条件です。

絞り方の基準は、「解決したときの財務インパクトが大きいか」と「自社のリソースで対応できるか」の二点です。インパクトが大きくても、対応するリソースがなければ後回しにします。この判断を経営者一人でやろうとすると、感情が入りやすいので、外部の視点が役に立つことがあります。

中期計画は、作ることより使うことが難しい。3ヶ月ごとに数字を確認して修正する習慣が、計画を生きたものにします。

#中期計画#経営戦略#財務分析#中小企業

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